店内に掛けられた、歌川広重の見事な浮世絵「東都大伝馬街繁栄之図」には「江戸屋」の店先の大伝馬本町通りに木綿問屋が立ち並び、人々で賑わう様子が描かれています。
江戸屋の初代当主利兵衛は、当時日本を治めていた徳川七代将軍家継のもと、将軍家お抱えの「刷毛師」となった人物。
刷毛づくりの腕前が認められ、御用商人の紹介を受けた利兵衛は、屏風やふすま、化粧に用いる刷毛などを徳川家に納品していました。
享保3年(1718年)、徳川8代将軍徳川吉宗による「享保の改革」で知られる、この年号がはじまったばかりの時期に、将軍家お抱えの刷毛師だった初代・利兵衛は、将軍家から「江戸屋」の屋号を賜り、江戸刷毛専門店として開業。
将軍家お墨付きの刷毛は、浮世絵の摺りや掛け軸等の仕立て用など、江戸時代には暮らしの道具としてなくてはならないものだった刷毛。暮らしや仕事の道具として職人から町娘まで広く人気を得ていたそうです。特に「化粧刷毛」は、優しい肌触りと品質のよさから大奥の女性たちも愛用していたといいます。
江戸屋が店を構える、旧奥州・日光街道に当たる大伝馬本町通り。この大伝馬町一帯は、木綿問屋や繊維問屋で栄え、近所に染め屋なども多く、染色の職人に当店の刷毛を納めていました。質のいい刷毛を求める人々で店は常に賑わっていたそうです。その後海外から「ブラシ」の文化が伝わり、明治以降は生活の西洋化あわせて、ブラシ製造にも着手。生活用品から工業用まで需要は広がります。
江戸刷毛の技術を活かして、歯ブラシや洋服ブラシといった生活道具から船舶のデッキブラシや工業用の研磨ブラシなど多種多様な商品を生み出してきました。現在では刷毛・ブラシは3,000種類以上と多岐にわたる商品を販売しています。プロの職人の厳しい目に応え、磨きつづけてきた技術はいまも健在です。
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